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2016/06/10 | 環境保全を考える。

 

腐草蛍と為る(くされたるくさほたるとなる)


6/10〜15頃。


蛍がポツポツと飛びはじめる頃、


枇杷もたわわに実をつける。


本格的な梅雨入りを迎え、


湿度も温度も高くなって空気は重くなる。


そんなおもりは、点滅する蛍のように


軽やかなものに、心惹かれる。


紫陽花が雨にぬれて美しい。

 



蛍と日本人の関わりは古い。


日本書紀にも記述があり、


美しくは儚げな青白い光。


ゆったりと点滅するリズムが心に響く。


蛍の点滅は、関東と関西では点滅速度が違うと言う。


関東が、約4秒。


関西が、約2秒。


どちらも19時から21時頃が見頃。

 



以前、環境の仕事で


水質浄化ホタル再生プロジェクトに携わった。


広大な敷地に1500tもの水量のある大きな池。


人工的に造られた池は、沢で結んだ先には


滝がありポンプで汲み上げた水を回している。


池の周りは、広々とした芝生に覆われ景観には美しい。


さらに、山々を開発して造られたこの場所は


ロケーションも素晴らしく、木々が取り囲み


閉鎖的で雰囲気が非常に良い。


だがしかし、見た目だけだった。


水質は悪く、池の水は悪臭を放っている。


そして、水底はヘドロ状態。


その為、毎年池の水を総入れ替えしているので


コストがかかっていると言う。


そりゃそうだ1500tもの水量、半端ない。


施設の目的として、水質浄化はもちろん


里山の自然環境をテーマに“環境情報施設”として


地域社会貢献活動のコミュニケーションを図る場所づくりである。


そこで我々に課せられたミッションは


池の水質浄化、並びにホタル再生プロジェクトであった。


でも、僕らは頭を悩ませた。


その理由として水が非常に汚い。


要因と言うと、


①池のコイのエサが多く残っている


②コイの糞尿が多く微生物の硝酸作用が追いついていない


③植栽帯の管理で化学薬品が池に雨と共に流れ込んでいる


④同じ水が汲み上がられて回っている


このことから、溶存酸素量(DO)が少なく


窒素過多、リン酸過多のため


好気性細菌が非能動的となって水質汚濁が進む。


一番の原因は、新しい水に替わってないこと。


これが非常にまずい。


雨が降れば多少は新しい水として入れ替わるが


澱み(よどみ)のある池底は入れ替わっていない。


それに、厳密に言うと


酸性雨のおかげで、硫黄酸化物や窒素酸化物なども


含まれているので新しい水と言いながらも


汚濁を少しづつ手伝っている。


本来なら、湧き水があってその新しい水が


沢から池へ流れ込み、


オーバーフローした分が排水されるのが自然である。


だがしかし、池に流れ込んだ水はポンプで汲み上げられ


また同じ水が滝から流れ込む。


ずーと循環。


我々は、湧き水を滝に引き込もうと計画したが


かなり大掛かりな工事になってしまい、


コストがかかり過ぎてしまう為断念。


じゃあ、せめて溶存酸素量だけでも増やして


好気性細菌に脱膣、脱リンのシゴトをしてもらおう!


ということで


曝気抜き(エアレーション)の稼働と


池の底に澱んだ水を回す為に水中ポンプとホースを設置。


そして、池に多少なりとも流れを作る為に


間仕切り壁を設けた。


あとは、生物濾過を促すために


鉄イオンのアイテムと有用な微生物の資材を投与した。


「ほ♪、ほ♪、ホータル来い♪


こっちの水は甘いぞ♪…」


という童謡がある。


水に砂糖を溶かしたらホタルが来るのかと言ったら


そうではない。


世の中、そんなに甘くない。


……。


こ、これは、水が決して糖質で甘いわけではない。


水質条件が難しいホタルにとって、


キレイな水かどうかだ。


ホタルだけではない、


ホタルのエサとなるカワニナも住める環境かも重要になってくる。


カワニナは巻貝の一種で1〜3cm程の個体サイズ。


ホタルは幼虫期は水中で過ごすため


エネルゲンとしてカワニナを食して栄養を蓄える。


ホタルの幼虫は、成虫の輝かしい姿とは程遠く


蛾の幼虫のようなヒルのような、、、


とにかく世間一般のイメージの“ホタル”からは想像し難い姿だ。


そして、カワニナを捕食する姿は


何ともえげつない。。


これも生きるために懸命だから致し方ない。


ホタルとカワニナは共存。


また、このホタルの幼虫のエサとなるカワニナも


溶存酸素量が多くないと生きていけない。


だが、上記に述べたように水質を浄化して


キレイな水にしたからと言って


ホタルの住める環境かどうかはしっかりと考慮しなくてはならない。


そこには、池の様な澱みが必要であったり


時には水の流れが必要であったり


産卵で産み付けるコケや下草の環境が整ってないといけない。


我々人間は勝手だ。


ホタルの生態が少なくなってきているからと言って


“里山環境を大切にしている”と掲げて


人工的にホタル環境をつくって


打算や利害で観光客を集める。


ホタルからしたら


いい迷惑じゃないか。


本当に住めるかどうかは、


ホタルに聞いてみないとわからない。


人為的に造られた自然もどきは、


見た目だけのものが多く


所詮自然には敵わない。


人間は利便性を追求して開発を進める。


だが、ジワジワと自然を奪っていく。


そしたら今度は


生態を崩した代償にと


自然保護に努める。


何だそれ。


僕はトトロを観るといつも思う、


モノや環境が


無いなら無いなりに人間は生きていける


適応能力を備えている動物なんだと。


現代では


文明が発達していく度に快適に暮らせて申し分ない。


だが、その能力のない生き物たちに思考や感情があったらと


考えると、


沢山の忌憚の無い意見が集うと思う。


それよか、人間と他の生命体との抗争が


繰り広げられるのではないか。


うーん、何とも恐ろしい。


生き物達の意見、一度聞いてみたい。

 

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